2011年2月6日日曜日

萌えなき戦い 東京条例編 その2

「親父、時代は変わっとるんですよ。」
そう言うと角川は食べ終わった皿をテーブルの脇にどけ、煙草に
火をつける。
「インターネッツで皆が言いたいことを言う時代じゃけぇ、欲しいモ
ンを素直に欲しいと言う。ワシらはそれに応えとるだけです。」
「…なあ角川」
「なんです」
「確かにワシの考えは古いのかもしれん、しかしな、堅気衆が喜ぶ
シノギだけをしていてはいつか道を踏み外すぞ」
角川は黙っている。
「金儲けさえできればスジを通すことなど、どうでもええ。それは外
道よ。」
石川は言葉を続ける。
「角川、お前はスジを通せるのか。」
石川の言葉に対し角川はうつむいたまま何も発しない。
メイド喫茶はさきほどの凍りついたような雰囲気から他人の修羅場
に興味津々といった雰囲気に変わっていた。
皆、耳がダンボである。
「…2chに晒す」
角川がボソッと呟く。
「えっ」
石川が驚きの声を上げる。

つづく

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