2011年2月3日木曜日

萌えなき戦い 東京条例編

「ワシの傘下のモンは親父のデカイシノギにはだしません」
角川はそう言うと”らき☆すた”とケチャップで字が書かれたオム
ライスを食べ始めた。
メイド喫茶の空気は凍りついたようになっている。
2人がけテーブルの対面に座っていた石原はその言葉をきいてし
ばらく沈黙を保っていた。
ケチャップの字が”らき”にまで削れたころ、おもむろに口を開いた。
「それは破門になるけぇ。お前本気か」
間髪いれずに角川が答える。
「ワシらはこのシノギにタマ張っとります」
「アホが! たかがアニメマンガじゃけぇ、それにタマ張るたぁお前
どうかしとるぞ!」石原が語気を荒める。
「そんなワシらでも気にかけてくれとる堅気衆がたんとおります。そ
れを裏切るわけにはいかんのです」
「バカもんが。奴らはお前んとこのエロアニメ、エロマンガに釣られ
とるだけじゃ。お前らの組そのものを好いとるわけじゃないけぇ」
「それでも期待を裏切るわけにはいかんのです!」
「お前らはワシの言うとおりにシノギに励んでればええんじゃ! 上
モンに下のモンが従わんとなりゃそりゃ面子の問題よ。ワシらの世
界じゃ生きてかれなくなるわ」


つづく

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